夏休みの宿題にモリンガの研究はいかがでしょうか

モリンガの自由研究の進め方

夏休み真っ最中のこのころ!自由研究の素材を探している人も少なくないと思います。
アサガオやヒマワリはもう調べつくした!何か変わった植物、珍しい植物はないかなあ…なんて😁
そんな皆さんに!暑い日に成長の早いモリンガは、観察に適したとってもおススメな素材ですよ!🤩

モリンガとは(かんたんに説明)モリンガ(ほんとうの名前はMoringa oleifera~モリンガ オレイフェラ~)はケシ目 ワサビノキ属 ワサビノキ科の北インド原産の多肉質落葉樹です。
高い温度と乾燥に強く、熱帯地方~温帯地域を中心にインド、パキスタン、フィリピン、アフリカ、ブラジル、アメリカの多くの国で生息・栽培されています。
また、日本でも、沖縄県や九州地方を中心に栽培されています。

日本での栽培風景(熊本県天草市)

モリンガは,成長が早く、種子を播まいてから3カ月程度で1.5 ~3mまで成長し、成木は高さ10 ~ 12mとなりますが、日本ではまだそんなに大きな成木はありません。

日本で種を植えて3か月後のモリンガ。3.5mほどに成長。(熊本県合志市)

モリンガの活用法

モリンガの葉、や若い果実は野菜として食されていて、花は香水に、種子は油脂やカレー粉の原料に、また乾燥葉はヨーロッパやアメリカを中心にサプリメント等に利用されるなど、全ての部位が活用されています。
一般家庭では料理に使います。はかには乾燥してお茶として飲用したりもします。

東南アジアやアフリカ諸国等での加工工程では,数mに成長したモリンガ成木の枝を伐採し,数日かけて天日乾燥しています。そのため,乾燥中に赤茶色く変色したり風味が落ちるなどの反応が起こる場合があります。
天草地方では,2007年頃から休耕地を利用して,モリンガの栽培が開始されています。
国内外で栽培されているモリンガ葉と差別化するため、天草では、毎年、種を植え、1年目の葉のみを収穫し、また変質を防ぐために収穫後直ちに乾燥させるなど、独自製造方法採用しています。

モリンガの葉と花(熊本県上天草市)

モリンガの葉は、タンパク質やビタミン A、B、C が豊富で、カリウム、カルシウムや鉄、フラボノイド、ポリフェノール類等の90種類以上の成分を含むことが報告されています4)。

モリンガ成分分析表(熊本県上天草市で栽培)

一方,モリンガは、スギの50倍以上の二酸化炭素を吸収するとされ、二酸化炭素による温暖化防止に対する解決策の一つとしても注目されています4)。
さらには、モリンガの実を搾油した後の搾油粕かすは、沈殿促進作用を持つとされ、飲料水の浄化を行うために利用されています。
このように、モリンガは、栄養供給源として、また環境問題の解決に資する作物として注目され、多くの発展途上国等で栽培・利用されています。

モリンガという植物がどこに生息しているのか調べてみよう

モリンガの木が育つ国と人口の5%~35%が栄養失調の国は分布図がほぼ同じ

上の地図を見てください。
モリンガの木が育つ国と人口の5%~35%が栄養失調の国は分布図がほぼ同じという調査結果があります。
これは気温が高く乾燥した土地では野菜が育たず、野菜を食べることができないため栄養バランスを崩すといったことがあったようです。
気温が高くて乾燥した土地を好むモリンガは自生していたようですが、当時の人はこの植物が食べられると知らなかったそうです。(現在は国の指導のもと積極的に食事に取り入れている地域もある。)
栄養成分豊富なモリンガがすぐそこに生えているのに、栄養失調の人々が増えている。それで「裏庭に金鉱を持っていて、それに気づかなかったかのようだ」と例えてあります。
豊富な栄養成分を含んでいるので、栄養不良や病気で苦しむ人々が多い発展途上国では、粉ミルクにモリンガパウダー(葉の粉末)を混ぜて乳児に与えることもあります。
世界保健機関(WHO)はモリンガを「緑のミルク」として、慢性的な栄養不足に悩む発展途上国でのモリンガの植樹を推奨しています。そのため、発展途上国とモリンガの生育地がますます酷似しているのだと思います。

地域別 モリンガの呼び方

モリンガは大昔から大陸の人々にかかわってきた植物です。そのため各国で違う呼び名があります。

モリンガの名前
【学名】 Moringa oleifera LAM.(M. pterygosperma)
【別名】 モリンガ(マルンガイとも)、Horse-radish tree、Ben nut、
Malungai(タガログ語)、Sanjanaa(ヒンズー語)
果実の携帯から「ドラムスティックツリー」、根の形から「ホースラディッシュツリー」、種子方とれる油の成分から「ベンオイルツリー」の名がある(ウィキペディアより引用)

別名の他にモリンガには愛称があります。
・ミラクルツリー(奇跡の木)
・ツリーフォーライフ(生命の木)
・メディスンボックスツリー(薬箱の木)
・マルンガイ(母親の友)
など

日本でもモリンガが手に入るか調べてみよう

モリンガは日本でも様々な加工食品にして販売されています。
栽培用の種や種から絞ったオイル、花の蜜(はちみつ)
限定的ではありますが、生の葉を販売しているところもあります。
天草モリンガファームではモリンガの生の葉で機能性表示食品の開発中です。

機能性表示食品とは
「機能性表示食品」は、事業者の責任で、科学的根拠を基に商品パッケージに 機能性を表示するものとして、消費者庁に届け出られた食品です。

https://camp-fire.jp/projects/view/593684

実際に育ててみよう

これがモリンガの種です。大きさは1㎝~2㎝

熱帯の植物モリンガが日本で元気に育つか。色んなパターンで試してみよう
暑い国で自生している植物ですが、四季のある日本では栽培のみです。それではどのように育てているのでしょうか。
モリンガ生産者が解説。栽培方法・収穫後の利用法。 へジャンプ
おもに、夏の暑い時期のみ栽培されていて、栄養成分が豊富という観念から、1年ごとに植え替える生産者がいる一方、種を買ったり、種から育てる手間や費用を省くため、ビニールハウスの中で栽培したり、日本でも沖縄のような温かい地域では冬を越して、2年目3年目のモリンガを栽培しているところもあるようです。

モリンガは、日当たりが良く水はけのよい土を好みますが、ホームセンターなどに売っている土で十分です。
お庭に直接植える場合と、花壇に植える、植木鉢やプランターなどで育てる場合が多いと思いますが、日当たりが良い暖かい場所で育ててください。

お庭や畑で育てる場合、除草剤などを使った土地では育ちません。
2~3年ほど除草剤を使わないでおいてから植えてみてください。

芽が出てしばらくは、すごく柔らかいので、虫がきて食べてしまうときがあります。
根切虫(ねきりむし)は昼間は土の中に潜っていて、パッと見た感じでは虫がいるのか分かりません。

モリンガが成長したら、収穫してみよう。

モリンガとテントウムシ

モリンガの収穫は手で行います。
茎から生えている枝の根元がポキッと折れます。
まずは2~3枝折って収穫してみましょう。
モリンガの木に近づくと独特の香りがします。
生の豆のような香りですが、好き嫌いが分かれる香りです。

収穫したモリンガをそのまま食べてみよう

収穫したモリンガの葉っぱをそのまま食べてみてください。(食べる前によく洗ってね!)
なんだか、ほのかな辛みがありませんか?
それはモリンガの持つ辛み成分です。
その辛み成分は、ワサビと同じ成分でワサビノキ科の特徴です。
殺菌成分があり、風邪やノロウィルスをやっつける性質があります。

天草のある小学校に毎年モリンガ茶を寄贈しています。
数年前まで担当だった保健の先生がモリンガ茶を飲んだりうがいに使うようになった年と、そうでない年を比べて、風邪や食中毒で休む児童が8割近く減ったそうです。

モリンガ飲用による感染者欠席数移行(提供:中南小学校)

モリンガの調理の仕方を調べてみよう

モリンガはおもに、葉っぱの部分を食べます。野菜のように調理して食べていいです。
生で食べるなら・・・
サラダや和え物にして食べてみよう。どのドレッシングと相性が良かったかな?和え物は、何と和えるのがおいしかったですか?
スープの具に・・・
お味噌汁やコーンスープなど、インスタントのカップスープにモリンガの葉を5~6枚浮かべて食べてみるのもおすすめです。
焼き物・炒め物にも・・
チャーハンや野菜炒めに、モリンガをひとつかみ♪とってもおいしくて成分満点の一品が完成!
すり潰してソースにする・・・
オリーブオイルにすり潰したモリンガ・カシューナッツ・粉チーズ・ニンニク・塩コショウとまぜれば、おいしいし、なんにでも使える万能調味料の完成だ!

※火や包丁を使うときは大人の人と一緒にね♪

モリンガ調理(生のまま・煮込み・炒めもの・すり潰してソースに)

モリンガの栄養成分を調べてみよう

モリンガは生き物に必要な成分がたくさん含まれている。
五大栄養素と言われる糖質・脂質・たんぱく質・炭水化物・ミネラルのうちの、糖質以外は全部含まれているよ!

モリンガのすごい栄養成分

こんなにすごいモリンガが、今まで日本に入ってこなかったのは、モリンガが育たない環境と思われていた(もしくは、持ち込んだが育てられなかった。)からかもしれません。また、正直、みんながおいしいとは言えない植物なので、流行らないと思われていたのかもしれません。(ニンジンやピーマンのような存在・・・?)
収穫時期や加工にこだわることにより格段においしいモリンガを提供できるようになりました。

天草モリンガファームの代表 四方田 徹(よもだ とおる)は、流行るか流行らないかではなく、これからの日本人に必要な植物だと感じ、いち早く日本へ持ち込み、何度も何度も失敗しながら、それでもへこたれず栽培方法を確定し、それを惜しみなく他の地域の栽培者さんに講習会などで広め、今では日本全国でモリンガ栽培者さんが増えました。

初めての栽培から16年。いまだに『知る人ぞ知る』のニッチな産業です。モリンガは今の日本が抱える「地方の高齢化社会」「農作放棄地の活用」「食の飽和時代の低栄養状態」「生活習慣病の予防」の解決と「寝たきりを減らし、健康寿命を延ばす」ために必要な植物だと思います。

4) Kumari R., Dubey V. and Mishra S. K., Review ontraditional herb Moringa oleifera for medical and
promising uses. Asian J. Pharmaceu. Edu. Res. 7,7-15 (2018).
5)

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