血圧が高くなる原因

「健康に気を付けているつもりなのに、血圧が高いんですよね。」

50代の私より若々しくて、スタイルもよくてはつらつとした女性が、来店されてそうおっしゃった。
お話を伺えば、高血圧家系で血圧の高い母親を見てきているせいか、日頃から健康には気を使ってきたとのこと。
『朝は野菜スムージー(ヨーグルトや甘酒など使って)更年期も気になるので夜は納豆を食べたり、運動も心掛けています。』と、聞いた感じ生活習慣は申し分なさそうです。
これ以上は改善されないのでしょうか。
もしかしたら思いもしないところが原因だったり、見落としがあったりするかもしれません。
そこで、いろいろな方面から高血圧の原因を探ってみました。

2種類の高血圧、あなたはどちらにあてはまりますか?

高血圧には、他の疾患や薬剤の副作用が原因で起こる二次性高血圧と、原因のはっきりしない本態性高血圧があります。(高血圧の種類によって治療方針は異なります。)

日本人の高血圧の85~90%は、原因のはっきりしない本態性高血圧といわれています1)。遺伝等が高血圧に関係することは確かですが、高血圧症そのものが遺伝するのではなく、高血圧症になりやすい体質が遺伝すると考えられています。血圧が高くなる原因は、肥満、塩分の摂り過ぎ、ストレスや喫煙などです。 まずは生活習慣を見直してみましょう。

一方、高血圧の10~15%は、何らかの原因がある二次性高血圧といわれています1)。これは、ホルモン分泌異常、腎臓疾患、薬剤の副作用などが原因で起こると考えられます。
二次性高血圧は、通常の降圧治療では効果がないこともありますが、原因を取り除けば血圧は下がります。

(ホルモン分泌異常による高血圧)二次性高血圧の一つ、原発性アルドステロン症は、アルドステロンというホルモンの過剰分泌が原因で起こります。
アルドステロンとは副腎から分泌されるホルモンで、体内の塩分を増やす働きがあります。これが過剰に分泌されると、塩分を摂り過ぎていなくても、血圧が上昇するのだそうです。

更年期高血圧(ホルモン分泌減少による高血圧)
卵巣から分泌される女性ホルモンであるエストロゲンには、血管をしなやかにして拡張させる働きがあります。
このため、更年期に入ってエストロゲンの分泌が減少すると、血管の柔軟性が低下して、血圧が上がりやすくなるのです。
また、更年期高血圧には、自律神経の乱れが大いに影響しています。(💡マーク参照)

女性ホルモンエストロゲンに似た物質「大豆イソフラボン」は、納豆や豆乳などを食べることで、エストロゲンの不足を補いトラブルを予防してくれるのですが、摂りすぎると婦人科系疾患の症状を悪化させる恐れがあります。大豆製品に含まれる大豆イソフラボンは1日40㎎~50㎎が適量です。

エストロゲン過剰状態による婦人病の症状は、エストロゲンの分泌量が減少する閉経期まで続く可能性があります。閉経前の方で婦人科系の症状が気になる方は、大豆製品を食べる量に気を付けてみるのも、一つの方法かもしれません。

大豆イソフラボンは1日40㎎~50㎎が適量なのですが、食べ物だとどのくらいかというと・・・
例えば納豆1パック(50g)に含まれる大豆イソフラボンは66㎎なので、朝のお味噌汁に豆腐とお揚げが入っていれば、すぐ過剰摂取になってしまいます。

日常生活の中で取り組みたい、自律神経を整える方法
自律神経は生活リズムを整えることが大事です。
朝起きたら日光を浴びる。
軽い運動・適度なストレス解消にもなります。
毎日お風呂に浸かる。
良質な睡眠。
食生活の改善。
腸内環境を整える。
首を温める。

虫歯も高血圧の原因になります。
虫歯を放置していますと高血圧の方はさらに高くなってしまい、血圧をコントロールされている方でも症状が悪化していまい、最悪の場合血圧を下げるお薬の飲む量が増えてしまいます。 また、歯だけでなく全身疾患に影響することもありますので、虫歯(というか歯に違和感があれば)は早めに歯科医に相談しましょう。

急に血圧が高くなることがあります。
なぜ急に血圧が上がるのでしょう?
ハードな運動をしたり、寒い場所にいたりすると、急激に血圧が上がることがあります。 心臓が一回で送りだす血液量が増えたり、血管が固く・狭くでしょうなったりすることで、血圧は上昇します。
そのため、運動などで大量の酸素が必要になったり、寒さで手足の血管などがに狭くなったりすると、血圧に上昇します。

血管拡張物質 一酸化窒素を増やす方法
空気中の一酸化窒素の作用で血管を広げるので血圧が下がるそうです。
少し汗ばむ、中程度の運動が効果的であると言われています。
「速歩き」や「ゆっくりジョギングをする」室内では「段差の上り下り運動」などがおすすめです。
運動は、1日30分以上、できるだけ毎日続けてみてください。
まとめて運動するのが大変なときは、朝、昼、夜と分けて行ってもかまわないそうです。
週3回以上、合計で180分以上を目標としてください。

⚠ご注意ください⚠
激しい運動はかえって内皮細胞の機能を低下させて動脈硬化を進めてしまう恐れがあり、逆効果だと考えられていますのでご注意ください。

<参考>
1) 谷津 圭介ほか:Heart View 19

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